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押川剛のB面

メディアでは見ることのできない押川剛のB面を、
事務所スタッフがこっそり観察。

■Vol.30■
 ラッキーカラーでGO


忙しさにかまけているうちに、2009年がやってきてしまった。

このB面も、前回の“モロコシ”から放置していたため、巷では
「押川氏 下痢ピーにて行方知れず」
といった噂まで流れていたそうである。

みなさん、押川氏は元気です。

さて、押川氏の近況はといえば、今年は運気の下がり年らしく、年明けから運気上げにいそしんでいる。
たとえば、ある時は、まっ黄色のフリースにゴールドのスニーカーを着用して登場。
またある時は、目のさめるようなピンクのセーター姿。
すべて、風水的ラッキーカラーに基づくファッションである。

これは大事なポイントだが、押川氏には、それらカラフルな色が妙に似合うのだ。
そこにはすでに、幸せのカケラがひそんでいる……
ような気がする。

(2009.02.05)

■Vol.29■
 モロコシ


押川氏は、腸が弱い。
慢性的に「インドで腹をこわした旅行者のような」状態であるらしい。
安倍元首相もびっくりである。

今日は、そんな押川氏との間に起こった他愛ない出来事を四コマでご紹介。

注:以下の記事は下ネタを含みます。お食事中の方はご注意ください。


続きを読む

(2007.10.04)

■Vol.28■
 タオル秘話


今年はたいへんな猛暑であった。
もともと汗っかきの押川氏であるが、今年は取材で動きまわることも多く、ジャケットやスーツを着用していたため、さらに過酷な夏になったようだ。
その汗の流れっぷりたるや、まるで滝のようである。

そんな押川氏であるので、タオル地のハンカチがこの夏の必需品であった。
事務所を出るときに忘れずに持っていけるよう、何枚ものハンカチを常備しておく。しかし、一度の外出でびっしょりになって帰ってくるため、洗濯がおいつかない。なかには自宅に持って帰ったままのものもあり、ストックは減る一方である。

とうとうある日、出がけに「タオルちょうだい」と言われたものの、一枚もない!という状態に陥ってしまった。
しかたなく私は、あるモノを手渡した。
そして押川氏は無言でソレを持って行った。

ソレとは……


食器拭きであります。

 

押川氏が、ソレを使って汗をふいているところを想像すると、なんとも言えない酸っぱい気持ちになるのは、私だけだろうか。

(2007.09.08)

■Vol.27■
 ギネス記録!?


「いのちゃん、いいもの見せてあげるよ!」

事務所で仕事をしていると、隣室から押川氏のうれしそうな呼び声がした。

押川氏の弾むような声に、常日頃の二大鉄則、
@「いのちゃん」と、ちゃんづけで名前を呼ばれるときには、ロクなことがない
A「いいもの」と言われて、いいものだったためしがない
も忘れて、のこのこと見に行く私。

そこで、押川氏の掌にあったものは……

 

HA・NA・GE

しかも、超長い
定規で計測したところ、ゆうに1.5cmはあるではないか。

鼻毛がこんなに伸びるなんて…
しかも、こんなに長いものが、今まで鼻の穴にINしてたなんて…

他人の鼻毛であることも忘れ、驚きそして感動した出来事であった。



写真を撮りました。

(2007.08.05)

■Vol.26■
 超!?健康法


最近の押川氏の超健康法。

症状:風邪 「ああ〜風邪ひいたみたいだ…。青汁ちょうだい」
症状:二日酔い 「昨日の酒が抜けないなあ。青汁ちょうだい」
症状:腹痛 「下痢が止まらなくてさ…。青汁ちょうだい」

すべて青汁でなんとかしようとしている。



そのうち顔が緑になったりして…

(2007.07.06)

■Vol.25■
 口癖


誰にでも口癖のひとつやふたつはある。

押川氏の場合は、以前、ここで紹介したこともあるのだが、「びっくりくりくりくりっくり」というのがそれである(読んで字のごとく、びっくりしたときに使う)。
そして口癖というやつは、行動をともにしていると、知らぬ間にうつっていたりする。
先日、驚いた拍子に自分の口から「びっくりくりくりくりっくり、ですね〜」と、ごく自然に出てきたときには、それこそびっくりくりくりくりっくりであった。

もうひとつ、押川氏からうつってしまった口癖に、「聞いてるぅ?」というやつがある。
押川氏の放つ親父ギャグを、「ああハイハイ」とスルーしたときなどに、妙に甲高い声で「聞いてるぅ?」と言われるのだ。
ここのところ、この「聞いてるぅ?」が脳内でリフレインしているわけだが、社内に後輩がいない私にとっては、このフレーズを使える機会が、なかなかない。

仕方がないので、本気塾寮の飼い犬(ラブラドールレトリバー・オス)相手に多用中。
「座れ」と言っているのに座らず、「待て」と言っているのに待たず、「やめなさい」と言っているのにイタズラをやめない犬にむかって、「聞いてるぅ?」と問いかける日々…。

もちろん、犬はぽかんと首をかしげるばかりである。

(2007.06.17)

■Vol.24■
 ポエムを朗読


本気塾の塾生であるTさんは、もう40歳である。40歳で塾生というのも不思議な話であるが、最近では、過去のこと(ギャンブル依存症で、周囲の人からお金を巻き上げていたのだ)など忘れてしまったかのように、のらりくらりと生きている。

「過去を省み人生をやり直す」という意思の、まるで見えないTさん。見るに見かねた押川氏は、Tさんに日報を書くよう指導した。
以前、塾生はみな日報をつけていたのだが、北九州へ寮を移し彼らの自主性にまかせて生活するようになり、「自主自立」への前進として、日報も廃止したのだ。
しかしTさんは再び、「日報を書いて一日一日を振り返る」という作業を与えられたわけである。

ところがTさんの日報は、その日、塾内の誰かがミーティングなどで発言した内容を、そのまま(しかも自分が発言したかのように)書き写しているだけである。
そこには、やはり自戒の念など見受けられない。

日報を読んだ押川氏も、納得のいかない様子である。
そして、帰宅したTさんをつかまえて言った。
「おいT、お前ポエムでも書いてるつもりか? どうして真面目にやらないんだ! こんな日報……」
押川氏のカミナリが落ちる! と緊張が走ったその瞬間!

「朗読してみろ!」

ろ、朗読?
意外な展開に、ほかの塾生やスタッフは思わず爆笑。「聞きたくなーい」と耳をふさぐ。

しかし、当のTさんは、なぜか嬉しそうに日報を朗読しはじめた。
「人の気持ちを……」
「はい、終わり!」
押川氏の終了の合図によって、それはものの三秒で終わった。

「頼むぞ、T。しっかりやってくれよ!」

押川氏はそう言い残すと、竜巻のように消えていったのであった。

(2007.06.03)

■Vol.23■
 濡れ衣合戦


とある日のこと。
出かける準備をしていた押川氏が、「黒いTシャツがない!」と叫んでいた。様子を見に行くと、愛用している丸首の黒Tシャツがないとのこと。タンスやら衣装ケースやらをあさって探すのを手伝うが、部屋中ひっくり返してみても見あたらない。

「この間東京に戻ったとき、着て帰ったんじゃないですか?」
私はそう訊ねた。押川氏は東京と北九州を頻繁に往復しているため、こちらで購入した洋服でも、気に入れば東京に持って帰ってしまうのだ。
しかし押川氏は、
「絶対に持って帰ってない!」
と、断固否定。
「東京にあるんですよ、きっと。こんなに探してもないんだし……」
と、私も引き下がらない。

ところが、(念のため調べておくか…)と思って開けた自分のタンスの中に、そいつはいた。 どうやら自分の黒Tシャツと間違えて仕舞ったらしい。
えへへ、と頭をかきつつTシャツを差し出すと、押川氏は完全に呆れ顔であった。

その数日後。
今度は、「白いポロシャツがない!」と叫んでいる。やはり探しても見つからない。そもそも白いポロシャツ自体、ここしばらく見かけていない気がする。
私はおそるおそる聞いた。
「あの……、東京に持って帰ったってことは……」
「絶対、ない!」
またしても断固否定である。逆に押川氏は、言った。
「また、お前のタンスに入ってるんじゃないの?」

いや、今度ばかりは違う。私自身はポロシャツを一枚も持っていないし、間違えようがないのだ! そう力説したかったが、前科がある身としては強く言うこともできない。もごもごしていると、押川氏は疑い深い眼差しをこちらに向けながら、別のポロシャツを着て出かけていった。

そして、つい先日。
取材のために東京に戻った押川氏が、再び小倉に帰ってきた。すると……

 !!

件の白いポロシャツを着ているではないか!
やっぱり! 東京にあったのね! 
意気揚々とする私を尻目に、押川氏は先日の件などすっかり忘れている様子。
ま、負けた……

こうして濡れ衣という名の攻防戦は、静かに幕を閉じるのであった。

(2007.05.24)

■Vol.22■
 動くのはいいけれど…


取材に関連して先週末から北九州入りしている押川氏だが、とにかくいつも動いている。

東京では寝る暇もないほど働き回っているようなので、こちらにいるときくらいは田舎ペース(?)で少しはゆっくりしたらいいのに…と思うこともあるのだが、
「動かないことには始まらないんだ!」
と言って、連日出かけまくっている。

そうすると確かに方々からネタが転がってくるようで、スケジュールはどんどん埋まっていく。

事務所に戻ってきてからも、自室にこもり、あちこちに電話をしたり調べものをしたり。
そして、ふと気が付くと

 






半裸になっている。


……裸族?

いやいや、まだ肌寒い季節だと言うのに、押川氏の額からは汗が!
それだけ一生懸命働いているのです。

尊敬いたします(たとえ裸族でも!!)

(2007.03.15)

■Vol.21■
 春です。


本気塾小倉寮のある北九州市では、先週早くも春一番が吹きました。
塾生たちは暖かい陽気に浮き足立ち、寮の番犬ゴウちゃん(ラブラドールレトリバー・オス)もなんだかソワソワしています。
「春といえば花粉」の私としては、浮かれている皆さんをうらやましく思う毎日です。

さて、押川氏出演の日本テレビNEWS ZERO『特集』、ご覧いただけましたでしょうか?
私は、テレビの前で緊張しながら観ておりましたが、放映後はスタッフのI川さんと感想などをひとしきり述べ合い、そして、ふと思ったことを口にしました。

「押川氏って、テレビで観るとかっこいいっすよね!」
この発言は、暗に(普段は腹の出たオッチャンにしか見えないのに)ということを言い表している、実はとっても失礼な発言であるわけなのですが、言葉どおりに受け取ったI川さんは

「ええええええええええ! どこが!?」
と、なんというかもう、全否定ですよ。
全身で否定しておられました。

I川さんは押川氏のもとで働いて長いので、いまさら容姿などには目がいかないということなのでしょうが…。
そんなに? という否定っぷりに、しばらく笑いが止まらない夜でありました。

(2007.02.24)

■Vol.20■
 了解!


近頃、とみに忙しい押川氏。連日のように取材、打ち合わせ、接待etc…と外を飛び回っているため、いつどこで何をしているのかいまいち把握できていない。時折、こちらの様子を聞くために電話がかかってくるので、それ以外は、取材に出ているか、人と会っているか……と理解し、よほどの緊急でない限り、事務連絡であっても電話するのを控えている。

そこで、今さらながらメールが大活躍。用事があるときには、携帯メールにパパッと打って送信しておく。昔は、なんでもかんでも電話していたのだが、口頭だとモタモタしてしまう説明も、文章なら要点をまとめて伝えられる。ほんとうに便利な時代になったもんだ。

しかし、肝心の押川氏はメールを打つのがあまり得意ではないらしい。得意ではないというより、好きではないというべきか。基本的に返ってくる返事は「了解」の二文字のみである。

お互いに携帯メールでやりとりしている分には気にならないのだが、パソコンのメールで長々と文章を送ったにも関わらず、「了解」の二文字しか返ってこないのは、けっこうさびしいものがある。嫌われてるのかな?と思ってしまうことすらある。

しかも、「○○の件、いかがいたしましょう」といった質問メールに対しても「了解」という返事が来たりする。ますます、嫌われてるのかな?と思う、今日この頃である。

(2007.01.24)

■Vol.19■
 まりもっこり


あけましておめでとうございます。

初詣の七福神みくじで『大吉』を引き当てた押川氏。同封されていた七福神は恵比寿さま。幸先のよいスタートである。
私が引いたのは『小吉』。しかも、「努力が空回りする年です」って。新年早々、本気で落ち込んじゃう。しかし、数年前には、初詣のおみくじで『凶』を引いたこともある。でも生きてる。空回りでもなんでもしようじゃありませんか!

さて、年末年始の押川氏は、悩める一人の若者からのSOSを受け、北の大地へと向かっていた。実際に会ってみたところ、とても心のある好青年で、久しぶりに誠実な若者に出会えたことを押川氏は心から喜んだ。そして、正月休みにも関わらず彼は車であちこちへ案内してくれ、思わぬところで楽しい休日を味わうことに。

どこを見ても雪に覆われた大地に、まっすぐに続く一本道。白い雪をかぶった白樺の木々が立ち並ぶさまは、まるで幻想の世界。しんしんと降る雪のなか、ぽつりと佇むロッジ風の喫茶店で飲んだコーヒーに、言葉を忘れる私たちであった。

そして、押川氏がいない間に、売店でとあるモノを見つけた青年M。「こっちですっごく流行っているんですよ、買ったほうがいいですよ」とすすめられ、押川氏へのお土産とする。彼との別れ際、「Mくんがすすめるので買いましたよ」とお土産を渡すと、彼は押川氏に「それを僕だと思ってつけておいてください」と言った。可愛げのあるセリフに、再びキュンとなる我々一行。

さて、そのモノとは…

まりもっこり

まりもっこり(携帯ストラップ仕様)。

ちなみに、後日、某テレビ局の美人ディレクターにこの話しをしたところ、ディレクターは感動しつつも、「でもこれ、どちらかと言うと押川さんに似ていますね」と、にっこり笑いながらおっしゃっていました。言われてみれば、似ていなくもないかも…。

注:表情が、ですよ。あくまでも。

(2007.01.07)

■Vol.18■
 めざせ3勝


先日、押川氏から「なるほど〜」と思う話しを聞いた。とある編集者さんと呑んだときに出た話しだそうだ。それは、「進化するひとの条件」である。

人間は進化しなくちゃいけない生き物である。日々学習し鍛錬し、昨日よりも今日、今日よりも明日、世のため人のために出来ることを増やしていかなければいけない。
しかし、これが案外むずかしい。とくに30代後半になると、進化できないひと、あるいは自ら進化することを放棄したひと、などが増えてくるのだという。

では「進化するひとの条件」とは何か?
それは

  1. うそをつかない
  2. 自分のことを考えない
  3. 異性にだらしなくない

この3つをクリアできているかどうか、だと言う。

3つともクリア=3勝なら、そのひとは進化できるひと、つまり世のため人のために役に立つことのできる人間である。2勝1敗なら、努力しだいでリカバーできる。残りの一つを改めればいいからだ。だけど、2敗、3敗はいけない。こうなると、必ず年を追うごとに衰退していくのだそうだ。

我が身を振り返ってみると、1勝はしているが(B…だらしなくなれる相手がいないという、この現実よありがとう)、@、Aをキッチリ勝っているとも言えない。例えば、うそはついていなくとも、見栄をはったりすることはある。等身大の自分で勝負していないのなら、それは自分を偽っていることになる。また、他者のために100%でやらなければいけないことなのに、いつの間にか自分の都合のいいように考えて行動してしまっていることなどしょっちゅうである。マズイ。ただでさえ、日ごろから「社会性がない!」「公益性がない!」というお叱りを受けているのに…。自分に負けている場合ではないのだ。

「進化するひと」になれるかどうか。この3つを肝に銘じておきたい。

■Vol.17■
 犬の話をさせてください


本気塾寮で飼っている犬、ゴウちゃん(ラブラドールレトリバー・オス)がタイヘンなことになっている。すくすくと成長しているのは喜ばしいのだが、どんどん問題児になっているのである。

犬用ケージに入れられるのが大嫌いなようで、昼夜問わずワンワンワンワン鳴いている。しかたがないので、自由に動けるようにしてあげると、今度は部屋のあちこちを噛みまくっている。ペットシーツの散乱は毎度のこと。ベッドからタンスにいたるまで、ボロボロになってしまった。
先日、あまりのイタズラぶりに怒りも頂点に達したI川さんは、ゴウちゃんをギュウギュウに叱った。ゴウちゃんは母と慕うI川さんに叱られてさすがに参った。目には涙さえ浮かんでいる。「よーし、反省したんだな。今日のところは勘弁してやろう」。

ところが、である。翌日には、部屋はもっとヒドイ状態になっていた。I川さんの怒りはMAXである。ゴウちゃんは大きな声で叱るとよけいに興奮するため、黙って睨み付ける。ギロリ。一人と一匹の睨み合いが続く。10分、15分…。耐えられなくなったのか、はたまた逃げの体制に入ったのか、ゴウちゃんは首をうなだれ降参の姿勢を見せた。しかし、昨日のことがある。I川さんはさらに睨み続けた。20分、30分…。そこでゴウちゃんは予想外の反撃に出た!「なんだよう。俺謝ってんじゃねーかよう。もういいかげん許せよう。許してくんないと許さないぞ! 」とばかりに吠え始めたのである。逆ギレか!君、犬なのに!!
これにはI川さんも負けた。「よしよし、わかった。もう悪さをするんじゃないよ」。そう優しく声をかけると、ゴウちゃん、今度はすっかり甘えん坊さん。ゴロニャン、違ったゴロワンとばかりに足元に擦り寄ってきたのであった。

かっー。問題児だけど、か・わ・い・い(←親バカ)。

※今日のB面は押川氏の登場はありません。そうです、最近スタッフは、押川氏よりもゴウちゃんの動向が気になってたまらないのです。
■Vol.16■
 品格

ここのところ品のないB面ばかりお伝えしてしまった。常日頃、藤原正彦先生の「国家の品格」を絶賛している押川氏なのに、このままでは品格もなにもあったものではない。それどころか、人格すら疑われてしまいそうではないか!!

そこで、押川氏の人格を疑いはじめている(?)皆さんにお伝えしておきたいのだが、私は押川氏ほど几帳面な男性を知らない。その整理整頓の上手さと言ったら天才的である。常に机の上には必要最低限のものしか置いていない。ゴミ箱にゴミがたまっていることもない。本棚の本や書類などは美しく分類、整頓されているため、何がどこにあるかは一目瞭然。最近は分刻みのスケジュールで、自ら事務所の掃除をすることなどほとんどないのだが、先輩スタッフに言わせれば掃除の仕方もハンパじゃないらしい。片づけをしていたのに気付いたらもっと散らかっていた…ということがよくある私としては、ひたすら感服するのみである。
きっと頭のなかもスッキリと整理整頓されているのだろう。実際、押川氏の話しを聞いていると、「あの話題」「この話題」と無数にある脳内の引出しから、その場にピタッとはまる言葉(文章)が選び出され、発せられているのを感じる。無駄が一切ないのだ。「説得のプロ」と呼ばれるのも当然のことである。

ああだけど、これだけは言わせてほしい。近くにゴミ箱がないからと言って、鼻をかんでビチャビチャになったティッシュを、さりげなく人に渡してくるのはやめてほしい。「捨てておいてね」と笑顔で念押しされるたびに、(言われなくても捨てますとも!)と、心のなかで叫んでいるのであった。
■Vol.15■
 あたらしいコミュニケーションなのだ

ある日のこと。
押川氏が、先輩スタッフのI川さんに仕事のことで何ごとかを問うた。それに対して、I川さんは少々ずれた回答をした。「何を言っているんだ?」という表情の押川氏を尻目に、ひとり話しを続けるI川さん。

すると突然、押川氏の動きが止まり、事務所内に『プスプス』というおならの音が鳴り響いた。いつもの豪快な『ブッー』という音ではなく、音からしてなんとなく物言いたげである。

そして押川氏は私のほうへ振り向くと
「話してもわからんやつにはこうやって伝えるんじゃ!」
と言った。さらに
「I川さんはときどき話しが通じないけぇ、お前もこんくらいできるようになっとけよ。それが社会人ってもんじゃ!」
と言い残し、高らかな笑い声とともに何処かに消えていった。

なんて斬新なコミュニケーション方法なんだ! と感心したものの、押川氏の真意がI川さんに伝わったとはとうてい思えないのであった。
■Vol.14■
 どんなかおり


某テレビ局の打合せで、夜遅くに事務所に戻った押川氏。どんなに疲れていても、事務所に戻ればスタッフを招集し、今日聞いたタメになる話などを話してくれる。本日はお酒を飲みながらの話し合いだったようで、ほろ酔い加減でちょっぴりご機嫌な様子。と、カバンの中からおもむろに「糸ようじ」を取り出し、今日の出来事を話しながら、超高速で歯間の掃除を始めた。歳をとると歯と歯の間に隙間ができてくるそうで(そういえばうちの母ちゃんも同じことを言っていたナァ)、日ごろからつまようじ・糸ようじは欠かせない存在なのだ。しかし、今日はなんだか廃棄物が多いような…。ってゆうか、向かい合って座ってるもんで、そんなに大口開けてシャコシャコやられると、いろんなモノが歯の間から出たり入ったりするのが丸見えなんスけど…。ってゆうか、一回出たのがまた入っていってるんスけど…。

などと、ぼんやり眺めていると、先輩スタッフのI川さんから「あんまり近寄らないほうがいいよ。その使った糸ようじ、急に渡されたりするから」とアドバイス。「あぶねーあぶねー。そんなことされたら、うっかり受け取るとこでしたよ」「そうそう、私なんてむかし、ぶっとい鼻毛をね…」
私たちのやり取りを、酔っ払い押川氏はニヤニヤ笑って見ている。そしてなんと自ら率先して臭いを嗅いでいた。驚きと好奇心で、思わず聞かずにはいられない。

「ど、どんな臭いがしますか」
……、ひと呼吸おいて押川氏。
「金木犀のかおりだよ」

酔っ払いの夜は、こうしてロマンチックにふけていったのでした。

■Vol.13■
 ミーハーなのか違うのか

10月某日、某S出版社の、とあるドキュメント賞受賞パーティーに参加。私もかばんもちとしてお供させていただく。会場のあるホテルでは、某出版社の編集者Sさんがロビーまで出迎えに来てくださる。

私にとっては出版社の受賞パーティーなど初体験のこと。受賞の挨拶が既にすんでいたせいか、会場は歓談ムードであった。そんななごやかムードのなか、パーティー初心者の私は、粗相をしないようにできるだけ直立不動の姿勢を保つ。いくら有名な作家先生がいるとはいえ、ボーイが配り歩く酒が気になるとはいえ、キョロキョロしていてはおのぼりさん丸出しである。

ところが、そんな私のわき腹をツンツンつつくお方が。
「おい、櫻井よしこさんがいるぞ。お前、握手してもらえ」
「おっ、藤原(正彦)先生だ! 握手してもらってこいよ」
「あっ、柳美里だ、ほらほら、サインくださいって言ってこい」
押川氏である。

ひええ〜。たしかにテレビや本でしかお見かけしたことのない先生方です。しかしどうみても、「ファンですぅ、握手してください♪」って言えるような雰囲気ではないです。だいたい、オーラがまぶしすぎて近寄れないッス。だが、芸能リポーターか?と思わずツッコミ入れたくなるような押川氏のウキウキした様子に、無謀な任務の遂行も秘書の役目か、と鼻息も荒くなってくる。そこで、横からSさんがやんわりと「サインはまずいよ〜」「握手はまずいよ〜」と忠告してくださる。…助かった。

まだ入社して一年半だが、押川氏と行動をともにしていると、なかなかの確率で芸能人や著名人に遭遇する。特に出張でどこかに出かけた際には、新幹線のなか(中尾彬と錦野旦が並んで座っていた)や食事をとったレストラン(中尾ミエが怖い顔をして頬づえをついていた)など、連続して芸能人を見かけたりもする。そのたびに押川氏は、「サインもらってこいよ」と私のわき腹をツンツンするのである。

はじめはいちいちサインだの握手だの言い出す押川氏のことを、なんてミーハーなおやじなんだ!と思っていたのだが、最近考えを改めている。というのも、先日事務所でテレビを見ていると、米倉涼子のCMを見た押川氏が「これ、川原亜矢子?」と聞いてきたのである。ちがーう!と思わず叫ぶ私。似てもいないし。似ているのは長身なことと長髪くらいか。どうやら若い女優さんなどには全く興味がないらしい。たぶんモー娘。のメンバーはひとりも言えないに違いない。今度聞いてみよう。

というわけで、たんなるミーハーおやじではないことがわかった。サービス精神旺盛な押川氏のことだ。いつも私のわき腹をツンツンしてくれるのは、サインをもらえれば私が喜ぶだろうと思ってのことなのだろう。そうだ、そうに違いない。意外とやさしい押川氏の一面を見た思いである。

■Vol.12■
 海苔

押川氏は、取材等で外に出ているときも、必ず日に何度か事務所に連絡を入れてくる。 だいたいは開口一番「おう、そっちは変わったことないか?」で、用件だけの電話である。

電話の押川氏の声は低い。表情も見えないので、この渋い声を聞くと、いつも不必要に緊張してしまう私。

ときどき、心構えなく電話をとってしまって、
「変わったこと…、ない、あれ、なんかあったような…、いや、気のせいでした」
などと、ワケのワカラン受け答えをしてしまったりするんである。

そういえば、I川さんは以前、
「ゴウちゃん(飼い犬)が輪ゴムを食べちゃって大変なんです!」
と、全く業務と関係のない報告をして、押川氏を腰砕けにさせていた。

そんな押川氏が、今日はめずらしくしょぼくれた声で電話を掛けてきた。
聞くところによると、初めて1000円カットの床屋に行ってみたらしい。
以前、「俺は頭の形が特殊だから、行きつけの床屋にしか行かない」と聞いていたのだが…。

案の定、大失敗だったそうだ。
「海苔みたいになっちゃって…」

海苔!
失礼ながら、大爆笑である。

ちなみに私はまだ、押川氏の「海苔」とやらを見ていない。
早く見たいものである。

■Vol.11■
 心は錦

最近の押川氏は、以前にもましてカジュアルテイストである。昔は、本人いわく"キンキラキン"(例:色つきサングラス+ブランドスーツ+金の腕時計)で新宿の街を渡り歩いていたのだが、最近ではユニクロも渋く着こなす大人の男である。
煩悩を捨て去った大人の男・押川氏は、先日とうとうスウェットで外出していた。「銭湯に行く」という目的があったものの、銭湯→ミスタードーナツ→床屋→パチンコ屋と、そのまま町を闊歩したらしい。床屋では、顔見知りの若いスタッフが「どうかしたんですか!?」と、たいそう驚いていたそうだ(そりゃそうだ)。
スタッフのI川さんに話すと、「ええッ!」と一瞬驚愕していたが、すぐに思い直したように「そういえば昔にも、スウェット姿でコンビニのビニール袋に財布を入れて、歌舞伎町のクラブに行ったことがあった」と言っていた。
クラブといったらキレイなお姉さんがいっぱいいるところであり、通常考えられる男の目的としては、スウェットは間違っている。間違っているが、お姉さんたちには逆にモテたらしい。
押川氏に事実関係を確認すると、「ん〜、歌舞伎町では作務衣に雪駄っていう格好もよくしてたね〜。なぜか似合うんだよねえ」とおっしゃっていました。スゴイ。
■Vol.10■
 風水・縁起をかつぐ

押川氏のところには、かなりの「負」を抱えた人しか相談に来ない。そういった「負」の財産をプラスに変えていくには、かなりのエネルギーを伴う。
そのため、「負の気」を少しでも良い気に変えていこうと、事務所も寮も風水に基づいてレイアウトされている。
そして最近、押川氏の部屋にも風水にならって観葉植物を置いたのだが、鬼門でないにもかかわらず観葉植物が見る見るうちに枯れていくのである。おそらく、本来なら押川氏が吸い込んでしまうはずの「負の気」を取りこんでくれているのであろう。タイヘンな話である。
■Vol.9■
 愛されない男

お昼の買出しで、押川氏に「カップラーメンとおにぎり2個」と頼まれた。
重要な任務を任された私は、コンビニへ走り、最もおいしそうなカップラーメンをチョイス。しかし、寮に戻り、お湯を注いだところで突然のミ−ティング。予想外の展開に慌てた私は、うっかりラーメンを放置してしまい、ミーティングが終わった頃には、麺はもう「増量中!」といわんばかりのスゴいことになっていた。押川氏は無残な麺の姿を発見し、驚愕の眼差しで私を見つめている。いたたまれなくなった私は、苦し紛れに「…チャレンジしますか?」と尋ねてみたのだが、あっさり拒否された。

数日後に、再び「カップラーメンとおにぎり2個」と頼まれる。「この間、ラーメン食い損ねたからさあ〜」と、意味深長な笑顔の押川氏。前回の失策に責任を感じていた私は、今回こそはと、万全の体制でラーメンを準備した。待つこと3分、押川氏が一言、「このラーメン、味なくない?」 なんですって!! たしかに作っている段階で、スープの素らしきものはなかった。しかし私は、麺に味がついているんだろうと、安易に思っていたのだ。ゴミと間違えて捨てたのか、とゴミ箱を漁るが、スープの素などどこにもない。どうやら最初から入っていなかったらしい…。「俺ってラーメンに縁がないんだね…」そうつぶやく押川氏の瞳には涙すら浮かんでいた(ような気がする)。

極めつけは別の女性スタッフ。セブンイレブンのうどん(生麺タイプ)をぶちまけたよ。押川氏の足元に。スタッフは半泣きで新しいうどんを買いに行った。半熟たまごが思わぬところに飛んでおり、それを押川氏が踏んでいた。そして、麺はセロファンごと落下したので、私の非情なススメにより、押川氏はそれを「替え玉」にして食べていた。
数々の女に愛され、泣かせてきたというウワサの押川氏。でも麺類とうちのスタッフには愛されていないのかも…。

■Vol.8■
 悪霊事件

押川氏は最近どうも調子が悪いそうだ。某有名占い師にも、先月あたりから運気が急降下すると宣告されているという。事務所に置いてある大きな観葉植物も枯れかけていて、なんだか不吉な空気が漂っている。

という旨の会話を交わしていた時、
  「うわ!なにこれ。」
違う部屋からキャップの叫び声がした。
行ってみると、床にバケツ一杯分くらいの水溜りが出来ていた。駆けつけた私と押川氏もギョッとする。
なぜこんな所に水溜りが…。

窓から一メートルほど離れた所に突如現れた謎の水溜り。水漏れかと見上げてみたが、天井は濡れていない。さっきまでしていた会話の内容が内容だけに、ぞっとする。まるでこの事務所にとりついている悪霊が痕跡を残したかのよう。
急いで雑巾を持ってきて水を吸い取ったが、押川氏は「もうたまらない」といった具合にいや〜な顔をしている。
それにしてもなぜこんなことに…しばし皆で考えたが、怪奇現象?!という疑問が払拭されない。三人で鳥肌をたてる。
 「この下に水道管がある!!」
押川氏が思い出した。とすると、水道管が壊れたということか。どっちにしろついていない。さっそく不動産屋を呼び、業者を呼び、工事が始まった。
本棚から本を全て出して移動させ、フローリングカーペットを剥がし、畳を剥がし…そこで作業をしていた者たちの手が止まった。畳の下は、濡れていないのだ。再び戸惑う一同。
 「一応床板を剥がして点検します。」
と不動産屋が言ったが、水道管に異常はなさそうだ。本当に怪奇現象なのかもしれない。

私はもう一度よく思い出した。近い過去、この部屋に水を持ってきたことはあるか。
あった。
私は昨日観葉植物に水をあげたのだ。
その後押川氏が不動産屋や業者に謝り、原因はこちらにあったことを説明するはめに。
昨日、私は枯れかけている観葉植物を生き返らせようと、たっぷり水をあげた。たっぷりたっぷり…。そしてたっぷりあげた水が鉢から漏れて、床の微小な傾きによって流れ、一点に溜まった。一日たって水の流れた形跡は乾いてなくなり、あたかも突然水溜りが現れたように見えてしまった。と推測できた。

あっちゃ〜。すすすいまっせーん。
笑いながら責められたけれど、一度どかした畳、フローリングカーペット、本棚、本を元に戻す時の白けた空気は忘れられない。本当すいませんでした。とほほ。

■Vol.7■
 故郷を走る


本気塾移転の関係で故郷・小倉に来ている。小倉には、以前から何かと仕事で来ることも多かったのだが、東京に比べて交通の便が悪いこともあり、念願の自転車を購入。一番に狙っていた車種は納品待ちということだったので、カナダのLOUIS GARNEAUというブランドのスモールバイクを買った。白くてカワイイやつだ。上司がチャリ移動なら部下もチャリ移動という当然の掟を守るべく、私も同じ自転車の赤色を入手。無意味にペアルックである。
早速30分ほど乗り回してみる。さて、押川氏だが、私はてっきりかなりの運動嫌いなのだと思っていた。普段一緒に行動していると、ほんの少しの距離でも「タクシー」と言うし、近所のコンビニに行くのも面倒くさがるようなところがあったからだ。ところがどっこい、予想に反して、自転車を漕ぐのはメチャクチャ早かった。しかもなぜか、身体を左右に倒しての8の字走行なのである。後ろから見ているとまるで族走りである。ワル時代にそういった経験があるのかと思わず聞いてしまったが、バイクには乗らなかったらしい。ということは、もはや身体にワルのDNAが組み込まれているのかもしれない。
…というのは冗談ですが、自転車を乗りこなす押川氏というのも、なかなかプリティな雰囲気を醸し出していたのでありました。

■Vol.6■
 驚く押川氏 Part2

押川氏は驚いた時、こうも言う。
 「びっくりし過ぎて眼鏡がくもっちゃったよ。」
見ると本当に眼鏡が曇っているから不思議だ。どうやら押川氏の眼鏡はびっくりすると曇るらしく、押川氏はそれをただ伝えているだけみたいなのだ。
■Vol.5■
 脳みそを使って生きる

事務所には、押川氏専用の寝具がある。
メディア業界は昼夜を問わない仕事のため、事務所で寝ることも多いのだ。

先日も、締め切り間際、押川氏は朝の4時まで原稿を読んでいた。
しかしとうとう、睡魔で集中力が途切れ、事務所に布団をひいた。
「2時間後に起こしてくれ」
と言われ、人間目覚ましと化す私。

そして6時。
押川氏に声をかけるが、まったく反応がない。
実は、押川氏は寝起きがあまり良くないのだ。
そのため、スタッフは毎回、大声で叫んだり、枕を引っこ抜いたりと格闘している。
しかし、今回ばかりは時間の猶予もない。
私は心を鬼にし、すまき状態にして起こそうとした。

その時、寝ぼけた押川氏が、突然叫んだ。
「30分の誤差を考えてくれ!」

……私は考えた。直訳すると、
「あと30分寝かせろ」
ってことですよね!?

脳みそを使って生きている人は、こんな時にも出てくる言葉が違うんだなあ!
感服した私が、押川氏をたたき起こしたのは、さらに2時間後であった。

■Vol.4■
 驚く押川氏 Part1

びっくりした時に思わず言ってしまう言葉がある。私の場合「ウソー?!」。別にその事実を疑っているわけではないが、つい聞き返してしまう。そうすると、たいてい「本当。」と返される。嘘みたいな本当の話だから、びっくりしてるわけだけど。
それで、押川氏は驚いた時に、「びっくりくりくりくりっくり!」と言う。その発言自体が私にとっては「ウソー?!」なんだけど、本当にそう言うのだ。

 「びっくりくりくりくりっくり!」
 「でたー!!!」 今日、押川氏の口からそのセリフが飛び出た時、私たちは仰け反ってしまった。
  さらにキャップがボソッと呟いたのを私は聞いた…。
 「古っ…。」

変形型として、押川氏は「びっくりくりくりくりちゃんになっちゃたよ。」とも言う。意味不明だが、その"びっくりくりくりくりちゃん"という何者かを、なんとなく可愛いと感じるのは私だけだろうか。

■Vol.3■
 親父ギャグ

事務所に置いてあるミニサボテンが、いつの間にかしおれていた。
 「これ枯れてるじゃん。」
最初に気づいたのは押川氏だった。
 「夏の暑さに負けたんですかね。」
それから、押川氏はサボテンに向かって「なにサボッテンだよ。」と言っていた。

たぶん、押川氏は一週間に一回くらいはなにげなく親父ギャグを言っていると思う。分かんないけど、そんな気がする。

■Vol.2■
 男の涙

男たるもの簡単に涙を流すべからず。
というのが押川氏の持論。ましてや仕事に関しては、涙はご法度だ。以前、移送の仕事を手伝った本気塾のSが、説得の最中に感情移入して泣いてしまった。移送の現場に立ち会うと、患者が病院へ行く決心をした瞬間などには、確かに胸にぐっとくるものがある。ただし、そこでスタッフが泣いてしまうのは、やっぱり見当違いなのだ。
そんな押川氏も、過去に一回だけ仕事中に泣いてしまったことがあるらしい。今も本気塾の塾生である、ある男性の親と話をしていた時…
 「こんなにも子供を子供として扱わない親がいるのかと、うわっーと思ったら、涙が目から飛び出たんだよ。」
 「飛び出たんですか?涙って下に流れるものじゃないんですか?」
押川氏が目から涙が飛び出たというジェスチャーをするので、聞き返した。
 「そうだよ。こらえてこらえて、こらえきれなくて直角に飛び出たんだよ」
 「直角に?!」
私は噴出してしまったけど、押川氏は真剣だった。
 「直角にだよ。そんで飛び出た涙が眼鏡にぶつかって眼鏡が濡れたんだよ。」
 「本当ですか?!」
直角に飛び出る涙。考えただけでも凄まじい。
■Vol.1■
 ロデオボーイ


ある日押川氏の机の脇に、椅子の形をした妙な機械が置いてあった。どうやら押川氏のダイエットアイテムらしい。その名も「ロデオボーイ」。スイッチをいれると、機械音と共に椅子の部分がもぞもぞとうごめく。これに乗るだけで騎乗と同じ身体運動が出来るらしい。数日後、ロデオボーイに乗っている押川氏を目撃してしまった。
うん、その姿は「目撃した」と言ってしまった方がいい。それほどプライベートなものだった。そもそも押川氏のプライベートな姿(パンツ一丁で寝ている。洗濯物を干してる等) はハードな仕事柄、よくあることだ。でもロデオボーイに乗っている姿はなんというか、こっちがちょっと切なくなるような…プライベートの極地。というよりもプライバシーをさらけ出している状態だった。
笑ってしまったのだ。本人は真剣なのに、はたから見ると滑稽であることは、悲しいかな、 否めない。しかも問題のポッコリ飛び出たお腹を、Tシャツを捲り上げてさすったり摘んだ りしながら上半身を揺らしているから、余計にコミカルなのだ。日本で初めて「移送」という仕事を始め、数々の患者や家族を救ってきた偉大な押川氏、本気塾のメンバーを凄い迫力で戒める押川氏、でも、ロデオボーイに乗ってしまうと、数々の功績はどこへやら、泣く子も黙らせるそのドスのきいた声が、たちまちドラえもんのようになってしまうのだ。
でも、私はこっちの押川氏の方が好きだ。ロデオボーイに乗りながら「飯なに食う?」なんてにこにこしながら言ってしまう押川氏には、尊敬だけでは生まれない、人柄の魅力がある。
だから、私は「押川氏がいつまでも痩せないでいてほしいな」なぁんて密かに思っている。


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